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脂質異常症

脂質異常症について

― 動脈硬化の原因となる“血液の脂”の異常 ―

◆ 脂質異常症とは?

脂質異常症(ししついじょうしょう)とは、血液中のコレステロールや中性脂肪(トリグリセリド)などの脂質の値が正常範囲を超えて高くなったり、逆に善玉コレステロール(HDL)が低くなる状態です。

以前は「高脂血症」と呼ばれていましたが、数値が高い場合だけでなく、HDLコレステロールが低い場合も含めて“異常”と捉えるため、現在では「脂質異常症」という名称が使われています。

◆ 主な脂質の種類と異常のタイプ

LDLコレステロール(悪玉):血管の壁にたまり、動脈硬化を進めます。

HDLコレステロール(善玉):余分な脂質を回収し、動脈硬化を防ぎます。

中性脂肪(トリグリセリド):エネルギー源ですが、増えすぎると心血管リスクになります。

脂質異常症のタイプ:

LDLコレステロールが高いタイプ(140mg/dL以上)

HDLコレステロールが低いタイプ(40mg/dL未満)

中性脂肪が高いタイプ(150mg/dL以上)

1つだけ異常がある場合もあれば、複数が同時に異常になることもあります。

◆ 原因

食生活の乱れ(高脂肪・高カロリー・過剰な飲酒)

運動不足

遺伝(家族性高コレステロール血症)

加齢・閉経後のホルモン変化

肥満・メタボリックシンドローム

糖尿病・甲状腺機能低下症などの病気に伴うもの

◆ 放置するとどうなる?

脂質異常症は**自覚症状がほとんどないまま進行する“サイレント疾患”**です。

しかし、放っておくと血管の内側に脂肪がたまり、動脈硬化が進行します。

動脈硬化が進むと、次のような重大な病気を引き起こすリスクが高まります:

•心筋梗塞

•狭心症

•脳梗塞

•大動脈瘤

•閉塞性動脈硬化症(足の血管のつまり)

◆ 検査と診断

血液検査(脂質プロファイル)により、以下の数値をチェックします:

•総コレステロール

•LDLコレステロール

•HDLコレステロール

•中性脂肪(トリグリセリド)

※空腹時採血(10〜12時間絶食)が望ましい場合があります。

また、高血圧・血糖値・体重・腹囲なども併せて評価し、動脈硬化リスクの全体像を確認します。

◆ 治療と予防

1. 生活習慣の改善が基本です

•脂っこい食事や過食を控える(特に飽和脂肪酸、トランス脂肪酸)

•野菜・魚・食物繊維を積極的にとる

•適度な運動(週3〜5回のウォーキングなど)

•禁煙、飲酒量の制限

•体重管理(BMI、内臓脂肪の改善)

2. 薬物療法(医師が必要と判断した場合)

•スタチン系薬(LDLコレステロールを下げる)

•フィブラート系薬(中性脂肪を下げ、HDLを上げる)

•EPA製剤、コレステロール吸収阻害薬など

※治療効果や副作用の有無を定期的に確認します。

◆ こんな方は一度ご相談を

•健康診断で「コレステロールが高い」と言われた

•家族に心臓病や脳梗塞の人がいる

•肥満気味、血圧や血糖も気になる

•運動不足・ストレスが多い生活が続いている

•以前より体調がすぐれないが原因がわからない

◆ まとめ

脂質異常症は症状がないまま進行し、将来の心臓や脳の病気のリスクを高める重要な生活習慣病です。

定期的な検査と生活習慣の見直しによって、多くは予防・改善が可能です。

当院では、血液検査から生活指導、必要に応じた薬物療法まで対応しております。

気になる方は、お気軽にご相談ください。

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